運動不足が引き起こす健康リスク
なんとなく、健康のためには運動しないといけないし、運動不足は体に悪いというのはわかります。
太るから?筋肉が衰えるから?でも、なぜそれが良くないのでしょうか。
それは、運動不足によって次のような健康リスクを引き起こす可能性があるからです。
筋力低下による転倒や骨折のリスク増加
- 骨折が原因で寝たきりに
→ 高齢者が骨折(特に大腿骨や背骨)すると、回復が難しく、長期間の入院や寝たきり状態になることがある※1 - 骨折後の死亡率が高い
→ 例えば 大腿骨骨折をすると、その後1年間の死亡率が約13〜18%に上昇 するといわれている※2 - サルコペニア(筋肉減少症)になると、歩けなくなる
→ 筋肉が減ることで歩行が困難になり、日常生活の自立が難しくなる※3
若い人はあまり気になっていないかと思いますが、筋力の低下によって起こる問題は高齢者になるとより顕著になります。
若いうちは運動しなくても何とかなることも多いのですが、年を取ったとき、若い時の貯金を使っていくことになりますのでは、なるべく早いうちから始めると後のことを考えるといいですね。
とはいえ、始めるのに遅いことはありません。講演会では60代、70代、80代の人から「いまさら筋トレ…?」と言われることもありますが、そんな時は、「筋トレではありません!筋肉を元気にしてあげるのです!」と、お答えしています。
※1 ベネッセスタイルケア |【要注意!】寝たきり状態を招く高齢者の骨折についてわかりやすく解説
※3 サルコペニア(筋肉減少症)|原因・症状・対策・予防法|大正健康ナビ|大正製薬
血行不良による心疾患や脳卒中のリスク上昇
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)は突然発症し、後遺症が残ることが多い
→ 手足の麻痺、言語障害、認知機能の低下などが起こり、自立した生活が困難になるケースが多い - 心筋梗塞は命に関わる
→ 血行不良が続くと動脈硬化になりやすく、突然の心筋梗塞で死亡するリスクが高くなる※4 - 動脈硬化が進行すると、他の臓器にも悪影響
→ 腎臓などにも悪影響を及ぼす可能性がある※5
運動するとなぜ血行が良くなるのかについて簡単に説明すると、拍数が上がり、血液の循環が活発になるためです。走ると心臓がドキドキするやつですね。運動を続けることで心臓の筋肉が強くなり、血液を送り出す力が強くなっていきます。
また、血流が増えることで血管が拡張し、血流がスムーズに流れます。そうすることで動脈硬化を防ぎ、血圧も安定します。
血流が良くなるとこれだけ良いことが起こります。逆に言うと血行不良はこれらのリスクを増加させることになるわけですね。
※4 血行障害とは?血行不良や血流障害との違いから症状・原因・対処法まで解説 | NsPace(ナースペース)-家で「看る」あなたを支える
※5 動脈硬化とは?原因となる心臓や脳の病気や予防方法について解説 | 朝日生命ネットほけん
生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)の発症リスク増加
- 糖尿病が進行すると、失明・腎不全・足の切断などにつながる
→ 血糖値のコントロールができなくなると、網膜症(失明)、腎症(人工透析が必要になる)、神経障害(足の切断)などのリスクが高まる※6 - 高血圧は「サイレントキラー」
→ 自覚症状がなく進行し、ある日突然脳卒中や心筋梗塞を発症することが多い※7 - 脂質異常症は動脈硬化を進め、心疾患・脳卒中を引き起こす
→ コレステロール値が高い状態を放置すると 血管が詰まりやすくなり、突然の発作で命を落とすこともある※8
運動しないと、蓄えたエネルギーを消費することができず、脂肪として蓄積されていきます。さらにインスリン抵抗値というものが高まり、血糖値のコントロールが悪化してしまいます。
会社勤めの方は生活習慣病予防の健康診断を受けた方もいらっしゃると思います。その時の結果が良くなかった人はキチンと検査して、改善に努めましょうね。
※6 糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう | 糖尿病情報センター
※7 高血圧は「サイレントキラー」!? 知っておきたい血圧と塩分について | サルスクリニック【内科・糖尿病内科・腎臓内科・腹膜透析・健康診断】
※8 脂質異常症|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター 病院
認知症の発症リスク上昇
- 認知症になると自立した生活ができなくなる
→ 記憶力の低下・判断力の低下により、介護が必要になるケースが増加 - 進行すると、家族の負担が大きくなる
→ 介護者(家族)の精神的・肉体的な負担が非常に大きい - 脳の神経細胞が破壊されるため、進行すると回復が難しい
→ アルツハイマー型認知症などは根本的な治療法がなく、進行を遅らせることしかできない
これまでは身体的な問題ばかりを上げてきましたが、最後は認知症です。よしゆきさんは、日本認知症予防学会の認知症予防専門士という肩書も持っています。
運動は、特に認知症の内の約半数を占めると言われているアルツハイマー型認知症に効果があると言われています。
それは、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ蛋白の蓄積を減らすことや、短期記憶の容量が増加するためです。
特に週3回以上の運動習慣を持っていた高齢者は、認知症になるリスクが低いことが分かっています。※9
※9 日本理学療法士協会 | 「運動」が「認知症予防」に効果的なこと
健康寿命を延ばすために最適な運動とは?
健康寿命を延ばすためには、適度な運動を習慣化することが大切です。運動には大きく分けて 「筋トレ」 と 「有酸素運動」 の2種類があります。
- 筋トレ:筋力を維持・向上させ、転倒予防や体の機能維持に役立ちます。
- 有酸素運動:心肺機能を向上させ、血流改善や生活習慣病予防に効果があります。
両方の運動をバランスよく取り入れることで、健康寿命を延ばし、日常生活の質(QOL)を向上させることができると言われています。
健康寿命を延ばすため、よしゆき体操を活用しましょう!
「よしゆき体操」は、健康寿命を延ばすための体操で、筋トレとエアロビクスの動きをミックスして考案した体操です。
何処でも誰でも気軽にできるようになっていますので、ぜひ試し見てください。
よしゆき体操の特徴
- 年齢を問わず簡単にできる
- ストレッチ・筋トレ・有酸素運動が組み合わさっている
- 1回数分でOK!
ぜひ、こちらの よしゆき体操の動画を見ながら、一緒に体を動かしてみましょう!
まとめ
健康寿命を延ばすためには、日常的に適度な運動を取り入れることが大切です。
- 運動不足が引き起こすリスクを知る
- 筋トレと有酸素運動 をバランスよく行う
- 自宅で簡単にできる運動を習慣化
- よしゆき体操を活用して楽しく運動する
健康寿命を延ばすために、できることから少しずつ始めてみましょう!
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